声帯は、のどの奥にあって、声を出すために働く器官です。
一対の粘膜のヒダである声帯は、ほんの2センチほどの大きさしかありません。
この小さなヒダが閉じて、息の力で振動させられる時、声が発生するのです。
声帯を酷使すると、粘膜に腫れや炎症が起きて、硬くなってしまいます。
その結果、声を出すための振動がうまくできなくなって、声がかすれます。
腫れや炎症が慢性化すると、部分的に血行障害を起こします。
それが、ポリープとなり、空気が漏れて声がかすれる原因となります。
ポリープには、3つの種類があります。
大声で話をする男児や、成人女性に発病しやすいのが、声帯の前部両側にできる声帯結節です。
これに対し、片側にできるのはポリープで、成人の男女、特にのどをよく使う人の職業病とも言えます。
両側が全体的に腫れると、ポリープ様声帯になり、ダミ声のようにひどくかすれた声になります。
声帯が腫れたり、炎症を起こしている場合は、とにかく安静にすることが第一です。
ですから、大声で話をしたり、長い時間話したり、歌い続けることは控えるべきです。
そして、のどネブライザー治療と呼ばれる吸入療法を行い、内服薬として炎症止めの薬を服用します。
炎症止めののどスプレーを、日1〜2回、のどに直接噴霧するのも効果があります。
数ヶ月間、治療を続けても回復しないようなら、声帯の腫れと炎症を引き起こしている原因を切除しなければなりません。
歌手の人にとっては、声帯の腫れはよくある症状で、ポリープの手術をすることも珍しくないようです。
鬼束ちひろさんも、数年前に声帯結節で手術を受けたそうです。
手術は、声帯結節と声帯ポリープではポリープの切除、ポリープ様声帯では腫れた組織の除去が行われます。
全身麻酔で30分ほどの手術が行われ、一週間くらいの入院が一般的です。
術後は、声を出さないようにして、数日間は安静にすることが肝心です。
その後、数ヶ月間、外来で治療を続けます。
使いすぎで腫れないように注意して、再発防止に努めます。