顎の腫れを一度も経験したことがない、という方は滅多にいないでしょう。
まず、顎が腫れる病気として、幼い頃に、たいていの人が罹るのがおたふく風邪です。
虫歯が痛むときにも、腫れることがあります。
このように考えてみると、顎の腫れは、日常的に誰もが容易に持ちうる症状です。
上下のうち、下あごは、特に重要な役目を担っています。
食べ物の咀嚼を行い、汗や涙の出口となる、大切な働きをするのが下あごです。
ですから、体の中でも、顎は大事な急所のひとつです。
ボクシングや格闘技の中でも、急所として扱われ、あご先に加えられた一撃で脳震盪を起こすこともあるほどです。
ところで、顎に異常を感じて病院へ行く場合は、何科へ行けばいいのでしょうか。
一般的には、耳鼻科、内科、口腔外科などで受診される方が多いようです。
原因がはっきりしない場合は、総合病院の受付で尋ねるのが最も良い方法でしょう。
耳の下の唾液腺の耳下腺が腫れて痛みを伴うのが「流行性耳下腺炎」で、通称「おたふく風邪」です。
おたふく風邪では、あごの下にある唾液腺の両側の顎下腺も腫れることがあります。
片方だけの顎下腺が腫れる割合は、全体の四分の一ほどと言われています。
症状がひどい場合は、顎の付け根の方にまで及ぶ皮膚全体の腫れが見られます。
これは、なかなか引きにくく、2〜3週間も症状が続くことがあります。
熱は3〜4日ほどで下がることが多く、高熱が出ることはあまりないようです。
おたふく風邪の潜伏期間は、約15〜21日と比較的長く、年齢によって感染率に違いがあります。
治療では、おたふく風邪のウイルスを殺す薬はありませんので、自然に治るのを待ちます。
感染を防ぐため、登校することはできません。
おたふく風邪の原因は、ウイルス感染です。
症状が現われていない場合でも、唾液腺が腫れていれば感染します。
なぜなら、ウイルスは唾液腺で増殖し、ウイルスの飛沫が感染経路となるからです。
もしも、2つの耳下腺、2つの顎下腺のうち、どれか2つが腫れているのであれば、おたふく風邪と考えて間違いないようです。
しかし、熱もなく、片方の顎下腺しか腫れていない場合などは、リンパ節炎などとの区別がつけにくいこともあるそうです。
首のリンパ節炎や皮下の深部に細菌が入り込む蜂窩織炎との区別をつけるために、血液検査を行います。
血液検査の結果、アミラーゼが高ければ、おたふく風邪と診断されます。
また、化膿性耳下腺炎や反復性耳下腺炎、唾石症なども、おたふく風邪の診断との区別が難しい病気です。